編集部ブログ

1/14(木) 09:54
ベニテスとレッズの将来
13日に行われたFAカップ3回戦で、リヴァプールが2部に所属するレディングに敗れました。リーグ戦で7位に低迷し、チャンピオンズリーグでも敗退したレッズにとっては"負のサイクル"に追い討ちをかけるような敗北です。

チームの象徴であるジェラードとトーレスには放出の噂が絶えず、このクラブに数々の栄冠をもたらしたベニテス監督の解任を求める声も高まっています。ただし、マネージング・ディレクターを務めるクリスティアン・パースロー氏は「我々の目的はチームの強化。チームの質を落とすことではない」と、スター選手放出を真っ向から否定しました。では、ベニテス監督はどうでしょうか。

チーム強化の観点から見て、監督の処遇がどちらに転ぶのかは興味深いところですが、そこで思い起こすのは、ベニテス監督が去ってからリーグタイトルに見放されているバレンシアです。2003-04シーズンに国内リーグとUEFAカップの2冠を達成したにもかかわらず、最大の貢献者であるベニテスを半ば追いやるような形を選らんだ彼らは、続く04-05シーズン以降、国内でも国際舞台でも目立った活躍を披露できていません。

就任1年目でリヴァプールにビッグイヤーもたらしたベニテス監督の功績はタイトルだけではありません。ジェラードがワールドクラスの地位を確立したのも、トーレスがその実力をプレミアで存分に発揮できたことも、このスペイン人監督の手腕によるところが大きかったのではないでしょうか。指揮官への信頼を公言してはばからない両者の姿が、そのことを物語っているように思います。

そういう意味では、ベニテス監督の続投こそが現有戦力を維持する上で、最大の"強化"となりえます。求心力に長けた名将の去就。それはそのまま、リヴァプールの将来を左右する大きなポイントとなるのではないでしょうか。

(伊藤/ワールドサッカーキング編集部)